北朝鮮、異例のペースで飛翔体発射 日米韓の足並み揃わず

北朝鮮 異例 飛翔体 日米韓 足並み 金正恩朝鮮労働党委員長の画像 日韓関係 朝鮮半島情勢
出典元: 北朝鮮国内で発射された弾道ミサイルを見つめる金正恩朝鮮労働党委員長の後ろ姿。同国の朝鮮中央テレビ(KCTV)の映像より(2019年8月1日取得)。 (C) Handout / KCTV / AFP
 北朝鮮、異例のペースにて飛翔体を試射。日米韓の足並み揃わず
3日、北朝鮮・朝鮮中央通信は、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が、7月31日に続いて2日早朝にも『新たに開発した大口径操縦放射砲(多連装ロケット砲)』の試射を視察したことを報じました。
改良した武器の性能の確認を行うことで、軍の士気を高める狙いがあったとみられていますが、発射されたのが弾道ミサイルなら、国連安全保障理事会の決議違反となるようです。
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北朝鮮が異例のペースで飛翔体を発射しました。日米韓の足並みが狂い出しているのは想定内なのでしょうか。

(※記事は現時点での情報であり、最新のものとは異なる場合があります。また、人物については、敬称略にて記載させていただいております。何卒ご了承願います)

3日、北朝鮮の朝鮮中央通信は、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が7月31日に続いて2日早朝に『新たに開発した大口径操縦放射砲(多連装ロケット砲)』の試射を視察したことを報じました。

これは高度や軌道を制御する能力や、目標への命中率などを確かめるための試射だったようです。

北朝鮮は25日、31日と、8月2日に、1週間余で3回という異例のペースで飛翔体を発射しました。

25日分については、『新型戦術誘導兵器』だったとしています。

31日の発射試験については、韓国は短距離弾道ミサイル2発が発射され、250キロ飛行後に海上へ落下したと発表したようです。

北朝鮮による異例のペースでの飛翔体の発射に、日米韓の足並みがバラつくか。

一方、韓国政府は25日と31日については新型の短距離弾道ミサイルと分析。8月2日についても、その可能性が高いとする。発射されたのが弾道ミサイルなら、国連安全保障理事会の決議違反になる。(ソウル=神谷毅)
出典元: 金正恩氏が「ロケット砲試射を再び視察」 北朝鮮報道 (C) 朝日新聞DIGITAL

飛翔体を発射している意図とは?

国内外へと飛翔体を飛ばすにはなんらかのメリットがあるとみられていますが、国内向けには、改良した武器の性能の確認を行うことで、軍の士気を高める狙いがあるとみられています

また、北朝鮮は夏の訓練期間に入っているそうですので、韓国の情報当局はさらなる発射もあるだろうとみているようです。

北朝鮮の異例の頻度での飛翔体の発射の意図とは?日米韓の足並みが揃わなくなることの伏線か?

北朝鮮が2日未明に、東部の咸鏡南道(ハムギョンナムド)・永興(ヨンフン)付近から日本海に向けて、短距離飛翔体を2回にわたり発射したと、韓国軍合同参謀本部が発表しましたが、ここ最近の北朝鮮による短距離飛翔体の発射が1週間余りで3度という異例のペースであることには裏でどんな狙いがあるのかと憶測を呼んでいるようです。

トランプ大統領「私は問題視していない」とのコメント。

ロイター通信によると、トランプ大統領は「私は問題視していない」などと述べて非難しない姿勢を示したとされ、そういった発言を繰り返すことで、北朝鮮挑発を許しているとの見方があるようです。

日米韓どころじゃない?

韓国の情報機関、国家情報院は1日に、北朝鮮がミサイル発射などを続ける可能性があると国会で報告したとのことですが、8月中には、韓国は米軍との合同軍事演習や最新鋭ステルス戦闘機『F35A』の搬入を予定しているのだそうです。

また、非核化を巡る米朝協議が本格的に始まる前に、戦力アップを急ぐ必要があるのではないかとの見方がなされているようです。

北朝鮮 異例 飛翔体 日米韓 足並み 金正恩朝鮮労働党委員長の画像

出典元: 北朝鮮国内で発射された弾道ミサイルを見つめる金正恩朝鮮労働党委員長の後ろ姿。同国の朝鮮中央テレビ(KCTV)の映像より(2019年8月1日取得)。 (C) Handout / KCTV / AFP

北朝鮮の異例のペースでの飛翔体の試射により、日米韓の足並みがバラバラなのが露呈。

日韓関係が悪化の一途を辿る可能性あり。

日本の韓国への輸出規制強化や、韓国を『ホワイト国』から除外するなどの措置が、韓国政府や国民からの反発を招き、日本製品の不買運動にまで発展していっています。

関連記事:韓国をホワイト国除外、対立長期化の場合の影響は

関連記事:韓国、日本への報復手段は何があるのか

そんな中、日本への対抗措置として、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄が検討されているといいます。

この協定は2016年11月に締結したもので、有効期限は1年とされ、これまでに2度の延長がなされてきたようです。

今回の期限は90日前にあたる8月24日までとなっており、どちらかが破棄を通告しなければ自動延長される仕組みですが、韓国はこの協定の破棄に言及。

日米韓3カ国の常時連携を可能とする、この日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が破棄された場合には、安全保障上の連携に支障が出かねないとのことで、米国からも懸念の声が挙がっているそうです。

関連記事:日韓対立 米国が静観する理由

一方、日本においても政府が韓国をホワイト国から除外した決定は多くの国民が支持しており日韓対立は収拾の目処が付かない状況です。

関連記事:大多数79.3%が日本政府の韓国を韓国をホワイト国から除外する決定を支持

北朝鮮が異例のペースで飛翔体を発射していることに、トランプ大統領は問題視しない構え。日米韓の足並みは揃わなくて良いという意向か。

トランプ大統領の見解。

【ワシントン時事】トランプ米大統領は2日、ツイッターで、北朝鮮の最近の飛翔(ひしょう)体発射に関し、「短距離ミサイルだ」と述べた上で、昨年6月のシンガポールでの米朝首脳会談の合意に違反していないと強調した。金正恩朝鮮労働党委員長とは短距離ミサイルの発射凍結については議論していないとも言及した。
出典元: 北朝鮮、「合意違反でない」=短距離ミサイル停止は議論せず-トランプ氏 (C) JIJI.COM

トランプ大統領は、短距離ミサイル発射は「国連安保理決議に違反しているかもしれない」と指摘しつつも、「金委員長は信頼を裏切り、私を失望させたいとは思っていない」とツイートし、問題視しない姿勢を改めて強調したようです。

国連安保理が緊急会合を開きました。

相次ぐ北朝鮮による飛翔体の試射について、1日、ニューヨークの国連本部では、国連の安全保障理事会は緊急会合を非公開で開き、北朝鮮を強く牽制したようです。

この会合の開催を要請したイギリスフランスの大使たちは、会合終了後、北朝鮮による短距離弾道ミサイル発射は国連決議違反だと厳しく非難し、北朝鮮への制裁を続ける方針を強調するとともに、完全な非核化に向けて、アメリカとの交渉を進めるよう訴えたそうです。

 北朝鮮が異例のペースで飛翔体を発射したことから、日米韓の足並みが揃わなくなっていくことが懸念されています
3日、北朝鮮・挑戦中央通信が報じたところでは、7月31日に続いて2日早朝にも、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が『新たに開発した大口径操縦放射砲(多連装ロケット砲)』の試射を視察したとのこと。
改良した武器の性能を確認する意味でも有効だとされ、ひいては軍の士気を高める狙いがあったとされているようですが、発射されたのが弾道ミサイルなら、国連安全保障理事会の決議違反となるようです。