韓国がGSOMIAを破棄しました。韓国世論が分裂していると報じられています。 8月22日、韓国大統領府(青瓦台)は、国家安全保障会議(NSC)の会合を開き、24日の更新期限日を前に、GSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)の破棄を発表しました。 元徴用工問題に絡む『報復』としてみられていた日本の対韓輸出規制強化への対抗措置として、GSOMIAの延長は「国益に見合わない」として破棄することを決定したようであり、日本側も反発を強めているようです。 |
韓国がGSOMIA破棄を決定。韓国世論が分裂との見方。
(※記事は現時点での情報であり、最新のものとは異なる場合があります。また、人物については、敬称略にて記載させていただいております。何卒ご了承願います)
8月22日、韓国大統領府(青瓦台)は国家安全保障会議(NSC)の会合を開き、24日が更新の判断期限だった日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)について「国益に見合わない」として破棄することを発表しました。
日本の対韓輸出規制強化(韓国をホワイト国から除外したこと)を、元徴用工問題に絡む『報復』と認識して対抗措置を取ったものだとみられており、日本側は反発を強めているようです。
韓国世論は賛否両論が噴出。
韓国大統領府は、安全保障上における”輸出管理の手続き”を日本政府により優遇されている対象国『グループA(ホワイト国)』からの”韓国除外”措置の撤回を求めましたが、日本政府により拒否された為に、GSOMIAの破棄に踏み切りました。
歴史問題に端を発した日韓の対立が、通商分野に続き、安保上の協力関係にまで影響が拡大したとして、韓国内では賛否両論が出ているようです。
GSOMIAについて。
GSOMIA(ジーソミア)は『General Security Of Military Information Agreement』の略で、『日韓軍事情報包括保護協定』のことを指して呼びますが、互いの軍事機密情報を共有することができるように取り決められた協定で、日本は韓国以外にも、アメリカやイギリスなどとも協定を結んでいるといいます。
アメリカの強い働きもあって、2016年11月、『朴槿恵(パク・クネ)』前政権時代にGSOMIAが締結されましたが、韓国政界などでは日韓の歴史的経緯から反対する声が挙がっていたといいます。
効力は1年間で、毎年異議がなく、期限日の90日前迄に破棄の意思を通告しなければ自動延長されることになっており、今年は8月24日が通告期限でした。
韓国がGSOMIAを破棄したことで、韓国世論が分裂。
破棄するまで韓国が得ていたメリットとは?
韓国からは主に脱北者や中国・北朝鮮に関する情報を日本に提供でき、日本からは、北朝鮮に関する、衛生やレーダーなどによってミサイルを発射したなどの情報を提供してもらえたというメリットがあったようで、韓国大統領府によれば、日韓ではこれまでに29回の情報交換が行われたそうで、韓国軍にとってはメリットがあったようです。
破棄によって受ける韓国のダメージ=デメリット。
ポンペオ米国務長官はGSOMIA終了の発表直後に「失望した」と述べ、米国防総省も報道官論評で「強い懸念と失望を表明する」と明らかにした。
出典元: GSOMIA終了 米国の失望は「当然」=韓国大統領府 (C) ソウル(聯合ニュース)
GSOMIAという協定破棄は、韓国側にとってもマイナスだと思われており、アメリカの反応も、前述したような韓国への批判のコメントを発表するといったもののようではありますが、青瓦台の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)国家安保室第2次長は、23日の会見で、アメリカが我々にGSOMIAの延長を希望してきたことは事実だとしながらも、「アメリカが表明した失望感はアメリカの希望が実現しなかったことによるもので、失望するのは当然だ」とも言及したようです。
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それでも、韓国・与党側はGSOMIAでの情報のやり取りは多くなく、終了しても安保上の不安はないと、破棄の決定を歓迎しているとのこと。
また、アメリカを介した情報共有は存続されるようで、韓国側の高官は「日韓のGSOMIAのせいで揺らぐ韓米同盟ではない」と力説しているようです。
韓国がGSOMIA破棄を決定。韓国世論、分裂の行方。
韓国世論調査でも、破棄派が維持派を上回っていた。
日本が韓国を「ホワイト国」から除外したことで、GSOMIA維持に積極的だった議員からも「私たちが軍事機密を日本と共有するのは矛盾している」「最も高い(警戒)レベルで日本に対応しなければならない」と破棄論に傾く声が上がり始めていた。
出典元: GSOMIA破棄、韓国とアメリカはどう報じた? 「愚かさを直視するべきだ」 (C) HUFFPOST
与党である『共に民主党』は、GSOMIA破棄について、「主権国家として当然」と歓迎したようで、「韓国政府の決定を尊重する。安倍政権が経済報復を撤回し、韓国と韓国国民を尊重する姿勢で対話と協力に再び出てくることを期待する」とのコメントをしたようです。
韓国内の反対派の批判。
記者会見に臨んだ大統領府の金有根(キムユグン)国家安保室第1次長も、「両国間の安保協力環境に重大な変化をもたらした」と批判した上で、GSOMIAの延長(更新)が「韓国の国益に合致しない」と主張。
最大野党・保守系となる『自由韓国党』は「最悪の決定だ」、「理性を失った決定」と批判したようで、「文在寅大統領は国際情勢に目を閉じ、安全保障の素人であることを世界中にさらした」として、破棄撤回を求めたようです。
同党の羅卿●(=王へんに援の旧字体のつくり=ナ・ギョンウォン院内代表)も、「国益より政権の利益に基づく決定ではないか」、「伝統的な韓米同盟と韓米日協力よりも朝中露側の体制に入ろうとする内心を見せたのではないか」と批判、懸念を表明。
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中道とされる『正しい未来党』も、「軽率で感情的な対応だ」と批判したようで、前代表からは「自傷行為だ」と、韓国人にしては、失望するにしても痛々しすぎる声すら挙がったようです。
韓国各紙の報道。
23日付、韓国各誌も、1面で大きく報道し、保守系の中央日報は社説で「韓日の葛藤を悪化させるのはもちろん、安保の軸である韓日米三角安保協力も揺るがすのは明白だ。安保上の国益を考えれば誤った判断に違いない」と批判し、「韓国政府は日本と永遠に敵対していくのか問わざるを得ない。日本はもちろん米国が韓国を信頼できる同盟と思うだろうか」と訴えたそうです。
韓国がGSOMIAを破棄。韓国世論の分裂は想定内か。
日本は与野党ともに反発。
韓国政府の発表を受けて、北朝鮮問題を睨んでの日米韓の連携が揺らぎかねないことから日本政府側は「容認できない」と反発し、河野太郎外相は「現下の地域の安全保障環境を完全に見誤った対応と言わざるを得ず、極めて遺憾だ」との談話を出しました。
日本の政府高官も、「日米がしっかり情報交換すれば影響がない。困るのは韓国だ」と強気なコメントをしたようですが、7月下旬にはロシア軍機が島根県・竹島(韓国名・独島)周辺で『領空侵犯』した事案が発生しており、日米韓の連携の乱れを、ロシアや中国、北朝鮮が突く可能性があると警戒している人々もいるようです。
日本政府の無反応で、韓国側の態度が一変。
8月15日に韓国で行われた『光復節』とは、日本統治からの解放を記念する式典のこと。
この『光復節』で、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、「日本が対話と協力の道に乗り出せば、われわれは快く手を取る」との演説をしたようです。
しかし、文氏が対話を呼び掛け、しかも、その演説内容も事前に伝えていたのに、日本政府が無反応だったことが韓国側の態度を変えたという。「国家的自尊心まで毀損(きそん)するほどの無視で一貫し、外交的欠礼を犯した」(韓国大統領府国家安保室の金鉉宗=キム・ヒョンジョン=第2次長)と鼻息は荒い。
出典元: 【ソウルから 倭人の眼】GSOMIA破棄の韓国、「快く手を取る」と言いつつ逆襲連発 (C) 産経新聞(ソウル:名村隆寛)
その後、韓国大統領府(青瓦台)は24日の延長期限日前である22日に、GSOMIAを「国益に見合わない」として破棄を発表し、翌23日午後には、韓国大統領府は「苦渋の選択だった」としつつも、破棄は日本側に責任があると主張したようです。
このGSOMIA破棄の通告で、11月23日以降は、日韓当局は機密性の高い軍事情報を直接やり取りすることができなくなるそうです。
GSOMIA破棄により日韓の対立は今後悪化する見通しが強く、対立解消の糸口は見出せません。
関連記事:冷え込む日韓関係について、双方の民間交流を促進すべきという声は36.5%
韓国のGSOMIA破棄。韓国世論の分裂は収束するのか。
対日カードの1つ、日本国内では報道機関が軒並み”風評被害“と報じた福島原発の放射能問題。
不買運動など、幾多とある対日カードの1つに、東京電力福島第1原発事故による放射能の問題もあります(事故から8年経過)。
韓国政府は長らく福島など8県産の農水産物の輸入を禁止しており、その他の日本産食品には放射性物質の精密検査をしている。今月には、日本からの石炭灰や廃プラスチックなどリサイクル用廃棄物を輸入する際の検査強化に続き、日本産の一部の加工食品や農産物計17品目に対する検査について、サンプル量と検査回数を2倍に強化することを発表した。
出典元: 【ソウルから 倭人の眼】GSOMIA破棄の韓国、「快く手を取る」と言いつつ逆襲連発 (C) 産経新聞(ソウル:名村隆寛)
韓国外務省の権世重(クォン・セジュン)気候環境科学外交局長は、「放射能汚染水処理の結果が両国民の健康と安全、さらに海でつながる国全体に与える影響を非常に重く認識している」として、19日、日本大使館の西永知史公使を呼び、福島第1原発の処理水に関し、海洋放出計画の有無などについての確認を求めたようです。
福島第1原発に関連し、日本はこれまでに、韓国では嫌がらせとしかいえない措置を受け続けてきたとの認識があるようですが、それは、福島県が関わる行事への反発や妨害があったからのようです。
ただ、このような記事も報じられているようです。
福島第1原発のメルトダウンの原因は、津波ではなく『地震』だったとの証言。
地震の後に起きた二次災害の津波で原因でメルトダウンが生じたとの認識が世間にはあるかと思われるのですが、実際は、地震が起こった段階ですでにメルトダウンが起きていたという証言をする『元東電社員の話』が、文春オンラインにて報じられているようです。
「東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故では地震の後に襲来した津波の影響により、非常用ディーゼル発電機・配電盤・バッテリーなど重要な設備が被害を受け、非常用を含めたすべての電源が使用できなくなり、原子炉を冷却する機能を喪失しました。この結果、炉心溶融とそれに続く水素爆発による原子炉建屋の破損などにつながり、環境への重大な放射性物質の放出に至りました。こうした事故の検証を通じて得られた教訓が、新規制基準に反映されています」
出典元: 「福島第一原発は津波が来る前に壊れていた」元東電社員“炉心専門家”が決意の実名告発 (C) 文春オンライン
(※ 2013年に新しく定められた『新規制基準』についての、電気事業連合会の説明)
要するに、「津波で電源を喪失し、冷却機能を失ってメルトダウンが起こり、重大事故が発生した」ということだ。
この点に関して、津波の規模が「予見可能だったか、想定外だったか」という議論がなされてきた。しかし双方とも「津波が事故原因」という点では一致し、多くの国民もそう理解している。
ところが、「津波が原因」ではなかったのだ。
出典元: 「福島第一原発は津波が来る前に壊れていた」元東電社員“炉心専門家”が決意の実名告発 (C) 文春オンライン
事故から8年経過後の今になっての”証言”。
「津波が来る前から、福島第一原発は危機的状況に陥っていた」
出典元: 「福島第一原発は津波が来る前に壊れていた」元東電社員“炉心専門家”が決意の実名告発 (C) 文春オンライン
福島第一原発は、津波の襲来前に、地震動で壊れたのであって、事故原因は「津波」ではなく「地震」だった――“執念”とも言える莫大な労力を費やして、そのことを明らかにしたのは、元東電「炉心専門家」の木村俊雄氏(55)だ。
出典元: 「福島第一原発は津波が来る前に壊れていた」元東電社員“炉心専門家”が決意の実名告発 (C) 文春オンライン
一時は『稼働中の原発はゼロ』という状態にもなれたのに、2013年に新しい安全基準(『新規制基準』)が定められ、現在は国内で7基の原発が稼働中だそうです。
玄海原発4号機、川内原発1・2号機、大飯原発4号機、高浜原発3・4号機、伊方原発3号機。
7基もの原発が稼働中の現在、このことは重大な意味をもつ。「津波が原因」なら、「津波対策を施せば、安全に再稼働できる」ことになるが、そうではないのだ。
出典元: 「福島第一原発は津波が来る前に壊れていた」元東電社員“炉心専門家”が決意の実名告発 (C) 文春オンライン
津波のせいではなく地震のせいでメルトダウンが起きた、ということが事の真相であるならば、全国の原発問題が、廃止という解決法に向かわなければ、恐ろしい事態を今後も引き起こしかねないだろうことは想像に難くありません。
木村俊雄・元東電社員が自己原因を徹底究明した『福島第一原発は津波の前に壊れた』の全文は、『文藝春秋』9月号に掲載されているそうです。
菅直人元首相による、Twitterでの指摘。
安倍晋三首相が折に触れ、「悪夢の民主党政権」と皮肉発言をすることへの反論として、菅直人元首相は19日、Twitterで、「安倍政権の6年こそ悪夢の政治です」と具体的なことを列挙し、以下のようなコメントを出したようです。
「(1)アベノミクスの失敗:個人消費は伸びず景気も財政も悪化。(2)非正規雇用の拡大による格差の拡大、(3)領土問題はじめ見掛け倒しの成果なき外交、(4)官邸主導の忖度と情報隠ぺいの政治、そして 原発回帰をめざして再エネ拡大を遅らせているエネルギー政策の失敗です」とツイートした。
出典元: 菅直人氏 「安倍政権の6年こそ悪夢の政治」…アベノミクスの失敗など4項目指摘 (C) デイリースポーツ
また、報道の自由度ランキングが、2010年の民主党政権誕生時には世界で11位だったのに対して、安倍政権6年間では67位まで下がった(国境なき記者団)との指摘もし、さらに「映画『新聞記者』で描かれるように気に入らない記事を書く記者を排除した結果です。まさに『悪夢』です」とも指摘したようです。
韓国がGSOMIAの破棄を発表したことに、”韓国世論は分裂か”と報じられたようです。 8月22日、韓国大統領府が、24日の延長期限を前に、GSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)の破棄を発表しました。 元徴用工問題に絡む『報復』としてみられていた日本の対韓輸出規制強化への対抗措置として取られたものと思われており、「国益に見合わない」との理由から、GSOMIAの延長を拒否し、協定破棄に踏み切ったようです。 アメリカ側も『失望』を表明し、日本側はもちろんのこと、「容認できない」と反発を強めているとのことです。 |