九州豪雨、警戒レベル5に 大雨警戒レベルとは

九州豪雨 警戒レベル5 大雨警戒レベル 土砂災害警戒判定メッシュ情報の画像 九州豪雨 2019
出典元: 土砂災害警戒判定メッシュ情報 (C) tenki.jp
 九州豪雨、警戒レベル5発令の可能性。運用が開始された大雨警戒レベル。
九州から東日本にかけて、梅雨前線が活発化したことで、九州南部が豪雨に見舞われました。
先月28日から続く記録的豪雨により、九州南部の鹿児島、宮崎、熊本の3県では、196万人超に警戒レベル4にあたる避難指示・勧告が出されました。
今後、局地的大雨や、さらなる梅雨前線の九州北上の予想など、また大雨が緩和しても土砂崩れなどの大崩落などが予想されるなどで、より一層の警戒が必要との見解が示されています。
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九州豪雨、警戒レベル5発令の可能性。近年稀にみる大雨警戒レベル。

九州豪雨 警戒レベル5 大雨警戒レベル 土砂災害警戒判定メッシュ情報の画像

出典元: 土砂災害警戒判定メッシュ情報 (C) tenki.jp

3日、九州から東日本の太平洋岸にかけて、熱帯低気圧の名残の温かく湿った空気が流入して梅雨前線が活発化したことで、九州南部が豪雨に見舞われました。

先月28日から続く、九州を中心とした大雨が、記録的雨量を計測。

特に九州南部の鹿児島、宮崎、熊本の3県には、196万人超に警戒レベル4にあたる避難指示・勧告が出されるなど、その天気図のパターンも「平成30年7月豪雨(西日本豪雨)」に似てきたと、メディアで取り沙汰されるなどしていたようです。

その梅雨前線も、4日には種子島・屋久島付近まで南下し、九州南部の大雨は峠を越えてきましたが、土砂災害の危険度が高い状態が続くなど、引き続き警戒が必要だとされてきました。

九州豪雨、警戒レベル5発令の可能性。過去の大災害に匹敵の大雨警戒レベル。

九州で記録的な大雨 引き続き土砂災害に警戒(19/07/04)

梅雨前線の活発化の影響で、九州南部では記録的豪雨に見舞われ、降り始めからの雨量は、宮崎県えびので1089.5ミリ、鹿児島県八重山で842.0ミリとなり、すでに7月の平年の2倍以上の大雨となっている所もあったようです。

過去の大災害に匹敵する。

九州が7月初旬に大雨に見舞われるのは2017年の九州北部豪雨、翌18年の西に本豪雨に続き、3年連続となりました。

いずれも梅雨前線に湿った南西風が吹き込みやすい条件が重なった「梅雨末期」の気象状況のようです。

関連記事:九州豪雨、なぜ毎年起こるのか

鹿児島県の三反園訓(みたぞのさとし)知事は自衛隊に災害派遣を要請。

土砂崩れによるけが人も出て、県内では川の堤防の決壊も確認されたとして、自治体が非難を呼びかけました。

引き続き警戒が必要。

現在、九州の大雨は峠を越えてきましたが、これまでの記録的雨量のせいで地盤が大変にゆるんでいる為、引き続き、土砂災害や河川の氾濫には警戒が必要だとの見解で一致している模様です。

関連記事:九州豪雨、いつまで警戒が必要?

関連記事:九州豪雨、他地域も警戒を 備えは大丈夫?

九州豪雨、警戒レベル5発令の可能性。この「大雨警戒レベル」とは?

大雨特別警報とは?

大雨特別警報」とは、大雨警戒レベルの中では最も高いレベルとされる「レベル5」にあたり、集中豪雨や台風で、「数十年に一度のレベル」の大雨が予想される場合などに、この「大雨特別警報」が出されます。

これが始まったのは、東日本大震災がきっかけといい、警報よりもさらに危機感を伝えて避難を促すため、大雨、暴風、高潮、波浪、大雪、暴風雪」の6種類の特別警報が、2013年8月から始まったとされています。

大雨警戒レベルとは?

警戒レベル」とは、災害が迫っていることが直感的に分かるようにと、災害の危険度を5段階で示したもののことです。

防災に関する情報は、気象庁や国土交通省、各自治体などから、様々な形で出されているとされていますが、情報が氾濫しすぎて分かりにくいという指摘がありました。

そこで、一般の人にも分かりやすく伝えようと、2019年5月から「警戒レベル」という新たな名称にて、情報提供が始められたようです。

九州豪雨、警戒レベル5発令の可能性。大雨警戒レベルが示す危険性とは?

「警戒レベル5」にあたる「大雨特別警報」は、市町村が出す避難勧告や避難指示(いずれもレベル4)よりも危険なのは明白であり、発表された時点で、すでに災害が発生している可能性が極めて高く、警戒が呼びかけられています。

警戒レベル4が各市町村から出された時点で、地域の避難場所などの安全な場所に避難しておくことが重要だとされています。

黒良主任予報官も、「避難するには遅すぎる。最新の気象情報や周囲の雨の状況などから危ないと感じれば避難してほしい」と注意を促しました。

もし避難できないまま警戒レベル5が出た場合は?

崖に面した家屋にいる場合…斜面の反対側の部屋に移ること

河川の近くの住宅にいる場合…2階以上の部屋に移動しておくこと

(水路に落ちたり、氾濫した川に流されたりするなど、かえって危険なことが多く、移動するのが困難な夜間などでは、土砂崩れや河川の氾濫などで仮に建物に被害があっても、室内での少しの移動が「命を守る最善の行動」につながります)

九州豪雨、警戒レベル5発令の可能性。引き続き警戒が必要な大雨警戒レベル。

今後は土砂災害に要注意。

1997年に鹿児島県出水市で起きた大規模崩壊のように、火山地質の九州では、大雨から時間が経った後でも、深い岩盤ごと崩れる「真相崩壊」が起きやすい地域があるのだと指摘されています。

総雨量が400ミリを超えると大規模な崩落発生のリスクが高まるようです。

鹿児島大の地頭薗(じとうその)隆教授(砂防学)は、「雨がやんだ後も、すぐには自宅に戻らない方がいい地域もある」と注意を促しているようです。

1日には、鹿児島市で、地表の土砂が崩れるなどの「表層崩壊」に女性が巻き込まれています。

今後の大雨で、表層崩壊が多発することによって、大規模な土石流につながることも懸念されています。

自らの命は自らが守らなければならない」(気象庁による異例の会見で)

自宅周辺に土砂災害警戒区域があるかどうかは、自治体のホームページなどにある「ハザードマップ」で確認できます。

また、身近な地域の土砂災害や洪水の危険度がどれほど高まっているかは、気象庁の「危険度分布」サイトで確認できます(地図上で5段階で色分け表示されており、情報は10分ごとに更新)ので、各自チェックし、要注意にて、今後に備えて下さい。

安倍総理 九州の大雨で道路・河川の復旧を指示(19/07/04)
 九州豪雨、警戒レベル5発令の可能性。大雨警戒レベルを運用中。
梅雨前線の活発化で、九州南部が記録的豪雨に見舞われました。
大雨警戒レベル5が発令される可能性があり、九州南部の鹿児島、宮崎、熊本の3県では、196万人超にすでに避難指示・勧告(警戒レベル4)が出されました。
一端は緩和した大雨も、今後また梅雨前線の九州北上があり得るなどの予想がなされており、油断できない状況が続いています。
土砂災害などの危険性も大いにあり、より一層の注意が呼びかけられています。