九州豪雨発生。今年の大雨被害がもたらした死者数は? 今回の九州南部を中心とした記録的豪雨による死者数は、現時点では2名と報じられています。 大雨に続く土砂崩れの被害は、鹿児島県を中心に4日朝までに43ヵ所との報告が国土交通省によってなされています。 床下浸水などの住宅被害は計190棟で、総雨量が千ミリ前後に達した地域が発生するなど、地盤がかなり緩んでいることから、今後さらに高まる「警戒レベル5」発令の可能性に伴い、土砂災害への避難対策など、気象庁などが繰り返し警戒するようにと呼びかけています。 |
九州豪雨での、現時点での死者数。
今回、記録的豪雨に見舞われた九州では、現時点での死者数2人と報じられました。
国土交通省によれば、鹿児島県を中心に4日朝までに43ヵ所で土砂崩れが発生。
午後8時においては住宅被害は床下浸水などを合わせて計190棟に上っており、住宅ごと土砂にのみこまれる死亡被害が発生しました。
総雨量が千ミリ前後に達した地域もあり、地盤が緩んでいることから、今後も土砂災害の危険性が高く、気象庁が引き続き厳重警戒を呼び掛けている事態となっています。
九州豪雨、3年連続した大雨被害、その死者数は?
「西日本豪雨」の爪痕。
6日で1年となる、去年襲った「西日本豪雨」では、220人以上の死者を出しました。
政府の中央防災会議などによれば、最大約860万人の避難勧告に対して、実際に自治体が避難所で確認したのは約0.5%の約4万2千人だったとのこと。
自宅にとどまった住民が多かったようで、多くの犠牲者を出す結果となりました。
「九州北部豪雨」の爪痕。
福岡、大分両県を中心に記録的な大雨に見舞われた「九州北部豪雨」は5日で2年経ちますが、いまだに850人超が仮設住宅で避難生活を送っています。
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このおととしに猛威を振るった豪雨での死者数は、被害が大きかった福岡県朝倉市、東峰村、大分県日田市の3市村で、両県で関連死1人を含む死者は40人に上り、いまだ2人が行方不明のままです。
当時集落を襲った土砂は8割近く除去され、道路や河川などの復旧工事も進んでいるとされています。
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九州豪雨、今回の大雨被害によって出た死者数と被害状況。
今回、比較的死者数が抑えられた理由は?
今回の九州豪雨による死者は計2名、住宅への被害は床下浸水などを合わせて計190棟に上っていますが、昨年の「九州北部豪雨」死者数40人近く、一昨年の「西日本豪雨」死者数220人以上といった被害数に比べると、死者数がかなり激減しています。
毎年襲ってくる豪雨なだけに、教訓が生かされてきているということでもあるでしょうし、警戒レベルの運用による、気象庁をはじめとした各機関の「早め早めの避難を」という警戒の呼びかけに住民たちが避難を実行したことが功を奏したのではないかと思われます。
九州豪雨による死者をこれ以上出さない為に。
気象庁は、2日、3日に緊急会見を開催。
黒良龍太主任予報官が「命」という文言を繰り返し用い、早めの避難を促す異例会見となりました。
2日は「自治体の避難勧告に従うように」と説明していたが、雨の見通しが深刻化。3日には、特別警報が発表されてからの避難では「遅すぎる」とし、「敏感になってほしい。危ないと感じれば、自治体が避難勧告を発表する前から避難してほしい」などと呼びかけた。
出典元: 「命」の文言繰り返し警戒促す、豪雨で気象庁 (C) 産経新聞
「自分の命、大切な人の命を守るために、特別警報の発表を待つことなく、早め早めの避難、安全確保をお願いします」と呼びかけた。
出典元: 九州豪雨、最高レベルの警報の可能性…長靴よりひも付き運動靴で避難を、車の利用は要注意 (C) Business Journal
九州豪雨、再来か。これ以上の死者は出さないように。
避難指示・勧告、順次解除。
九州南部(宮崎、鹿児島、熊本)に出ていた避難指示・勧告は、4日夜にかけて順次解除されましたが、鹿児島市は一部地域の53世帯86人を対象に避難指示が継続されました。
熊本、宮崎両県の指示・勧告はすべて解除された模様です。
被害状況について。
総務省消防庁の4日夜のまとめでは、鹿児島県内で5人が軽傷。
住宅の損壊・浸水被害は、鹿児島、宮崎、熊本、石川各県で計232棟。
午後6時時点の避難者数は、鹿児島県で957人となりました。
交通への影響について。
JR九州によると、九州新幹線「熊本-鹿児島中央間」は終日、本数を減らして運行され、在来線も一部運休したとのこと。
九州自動車道の溝辺鹿児島空港インターチェンジ-加治木ジャンクションなども、土砂崩れで通行止めとなっている模様です。
気象庁による今後の見通し。
5日、奄美地方まで南下した梅雨前線は、6日以降には再び北上する可能性があるとのこと。
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「警戒レベル5」発令の可能性があり、車の利用は要注意、長靴よりひも付き運動靴での避難を呼びかけるなど、住民への厳重警戒の呼びかけを引き続き継続しています。
九州豪雨、今後も続く可能性から避難を繰り返し呼びかけ。死者数減に尽力の気象庁。 3年連続発生の、九州や西日本地域の大雨警報により、気象庁が「命」という文言を繰り返し用いるなどの異例会見を開催。 現時点での死者数は2名と去年よりも減りはしたものの、警戒レベル5発令の可能性が今後も拭えず、令和元年に刻まれる非常事態ワードとなり得る大雨警報によって、気象庁を中心に、今後も引き続き厳重警戒の呼びかけを継続していく模様です。 |