サニブラウンが9秒97の日本新記録を樹立! 今後ますます期待を背負うスプリンターたちの星。 7日(日本時間8日)、陸上の全米大学選手権で、男子100メートル決勝戦が行われ、サニブラウン・ハキーム(米フロリダ大)が「9秒97(追い風0.8メートル)」の日本新記録を樹立し、3位に入りました。 これは今まで日本新記録保持者だった桐生祥秀の「9秒98」の記録を100分の1秒塗り替える記録で、NCAA陸上や、フロリダ大陸上部など、共に公式ツイッターが歴史的瞬間の映像などの速報をツイートしています。 |
サニブラウンが日本新。今後の成長に期待大。
7日(日本時間8日)、テキサス州オースティンで行われた陸上の全米大学選手権で、男子100メートル決勝で、サニブラウン・ハキーム(米フロリダ大)が「9秒97(追い風0.8メートル)」の日本新記録を樹立し、3位に入りました。
これは2017年9月、日本選手で初めて10秒の壁を破った桐生祥秀が出した日本記録「9秒98」を、100分の1秒塗り替えた記録(時事通信社の2019年06月07日速報)となります。
(5日の準決勝で9秒96(追い風2.4メートル)をマークして3組2着となり、サニブラウンは7日の決勝へと進んだ訳ですが、追い風が2メートルを超えている為、この記録の公認はされませんでした)
同200メートル決勝では日本歴代2位の20秒08(追い風0.8メートル)を記録しています。
サニブラウン、日本新記録を達成。今後の伸びに期待感。
世界基準と比較して。
NCAA陸上公式ツイッターが歴史的瞬間の映像を速報し、サニブラウン所属のフロリダ大陸上部公式ツイッターは「サニブラウンが9.97でバーナード・ウィリアムズの持つ19歳の(フロリダ大)学生記録を更新! そして、日本記録も破った!」と速報しました。
(※OBウィリアムズ…シドニー五輪400メートルリレー金メダリスト)
【男子100メートル決勝結果】
1位…Divine ODUDURU(オドゥドゥル) / ナイジェリア出身(Texas Tech) 【9秒86】
2位…Cravon GILLESPIE / (Oregon) 【9秒93】
3位…サニブラウン / (Florida) 【9秒97】
ゴールしたサニブラウンに喜ぶ様子はなかった。
日本記録よりも、ナイジェリア出身のオドゥドゥルらに引き離されたこと自体に、「もうちょっと速く走れたかなと思っていた」と悔しさをにじませました。
準決勝、決勝とも、リレーを含めて1日3レースをこなすという過酷な日程で、オドゥドゥルも同じ条件で走った訳ですが、100、200メートルとも自己ベストで優勝しています。
「そういう人が世界のトップレベルで戦える人なのかなと思った」と、サニブラウンの表情は厳しいものだったようです。
7日、決勝の日のフロリダ大での評価。
同大学で指導にあたっているマイク・ホロウェイ監督は、表彰式後、教え子の肩を抱き寄せて「誇りに思う」と声をかけました。
「これまで少し怠けてしまうところがあったが、それは卒業した。より一生懸命に練習している」と、大学2年目にして、精神面で成長したことを喜びました。
かつての王者「カール・ルイス」も高く評価。
「彼は素晴らしいアスリート」
この大会の、かつての王者であるカール・ルイス。
陸上はよく知らなくても、五輪での金メダル量産で、この名前だけは日本人にもよく知られている、大変有名な選手です。
「ここでうまくやれたら、他でもやれる」
サニブラウン、日本新を達成し、今後の注目度がさらに高まる。
サニブラウン・ハキーム(20)のプロフィール。
1999年生まれ、東京都出身、父がガーナ人、母は日本人、身長188センチ、体重83キロ。
「地上最速を目指す」と豪語して、日本を飛び出しています。
2015年7月、世界ユース陸上競技選手権大会100m走・200m走、共に大会新記録で優勝、2冠達成、同年、北京世界選手権200mでは準優勝に。
同じく、国際陸連の年間表彰で新人賞にあたる「ライジングスター・アワード」にも選ばれています。
2017年6月、日本選手権100m、自己ベスト10秒05(追い風0.6m)に更新。
同年8月、ロンドン世界選手権200mで決勝進出し、2005年大会の最年少ファイナリスト記録(【18歳355日】 ウサイン・ボルト / ジャマイカ2005)を【18歳157日】で塗り替え、7位入賞。
2019年3月、全米大学室内選手権、60m予選では、室内日本タイ記録となる6秒54をマーク。
2019年5月、大学南東地区選手権・男子100m決勝で日本人2人目の9秒台となる「9秒99(追い風1.8m)」をマークして1着。
2019年06月07日、全米大学選手権で男子100メートル決勝戦、日本新記録保持者・桐生祥秀の「9秒98」の記録を100分の1秒塗り替えて、「9秒97(追い風0.8メートル)」の日本新記録を樹立し、3位。
(五輪…なし / 世界選手権…2015、2017年 / アジア大会…なし)
スポーツマネジメントを学びつつ、午後から1時間半ほど、質の高い練習に取り組み、マイク・ホロウェイ・ヘッドコーチの指導の元、苦手なスタート時に出遅れてしまう走りを改良。 大きめストライドで後半に強く走り抜く選手でしたが、現在は無理に低く出ずに、自然と上体が上がるイメージを心がけているようです。 |
サニブラウンが日本新。今後の期待を煽るスプリンター。
現在の調子について、一問一答。
2日前の準決勝からしてみると、現在の調子はどうか?
「準決勝は暑さにやられて、ふくらはぎがつりそうだった。全然スタートから行けなかったんですけど、今日はしっかり水分補給をして、体のケアをしていたので、問題なくレースに臨めた」
日本新記録を出したことについて。
「正直、あまり実感はないんですけど、今後もまだ速いタイムは出ると思っているので、その都度、更新していければと思います」
改善したスタート時の走りについて。
「今大会、割とスムーズに出られていると思うので、練習してきたことが、少しずつ身についてきているのかなと思っています」
100メートルの走りを振り返って。
「スタートから60メートルぐらいまでは良かったと思う。そこからちょっとストライド(歩幅)が伸びて、長くなった。そこをまとめていけていれば、もうちょっといいタイムが出たと思います。課題が分かったので、今後に向けて練習して、日本選手権、世界選手権に備えていければと思います」
サニブラウンが日本新を達成。今後ますます加速する将来性ある陸上選手。
今後の記録更新について、まだまだ伸びる余地があるかどうか。
2017年秋、サニブラウンは、一年中温かいからという理由で米フロリダ大に進学し、仲間と一軒家での共同生活を始めています。
「入学当初は、彼にとって新しいことの連続で戸惑いもあった」と振り返るのは、ホロウェイ・コーチ。
練習に身が入らない時期もあったそうですが、昨年12月頃から目の色が変わったと語っています。
「やるべきことをしっかりとこなせるようになった」ことで、室内競技会を含めて、好タイムの結果を出せるようになってきたと続けて話しています。
昨年5月に右脚を負傷し、約3カ月、ほとんど走らずに、体幹などの筋肉を鍛えることに専念したというサニブラウンは、「けがをして自分を見つめなおすことができたので良かった」と語っているようです。 |
技術面で取り組んだのがスタートの改善。「以前は飛び出しの4歩目から12歩目までで力み過ぎる癖があった。最初の10メートルは勢いをつけることだけに集中させた」とホロウェイ・コーチ。力任せに地面を蹴っていたのを低い姿勢から体を自然に起こして加速につなげる形に変え、記録が伸びた。
出典元: サニブラウン、米国流に適応し飛躍=けが乗り越え意識改革-陸上男子100 (C) 時事ドットコム
「多くのスプリンターは20代後半にピークを迎える。彼には驚異的な才能があるが、まだ成長の途中。技術を信じられるようになったのは大きいし、もっと速くなる。大事なのは慌てず前進すること」。ホロウェイ・コーチは、さらなる可能性に期待する。20歳の大器にとって、100メートルの9秒97も通過点なのだろう。 (オースティン時事)
出典元: サニブラウン、米国流に適応し飛躍=けが乗り越え意識改革-陸上男子100 (C) 時事ドットコム
サニブラウン、日本新記録を樹立。今後もますます記録更新が期待されるスプリンターです。 スタート時の走りを改良して臨んだ、7日(日本時間8日)の陸上の全米大学選手権、男子100メートル決勝戦。 サニブラウン・ハキーム(米フロリダ大)は「9秒97(追い風0.8メートル)」の日本新記録を樹立し、3位に入りました。 これは今まで日本新記録保持者だった桐生祥秀の「9秒98」の記録を100分の1秒塗り替える記録で、NCAA陸上や、フロリダ大陸上部など、共に公式ツイッターが歴史的瞬間の映像などの速報をツイートしています。 |