ヤフーがZOZOを買収しました。利用者にはどのような影響があるのか。 12日朝、ヤフーの川邊健太郎社長が東京都内で記者会見を開き、インターネット衣料品通販大手『ZOZO(ゾゾ)』を買収することを発表しました。 10月上旬にも買収額約4000億円でTOB(株式公開買い付け)を実施し、連結子会社化した上で通販事業を強化する戦略であると説明。 会見には、ZOZOTOWNの澤田宏太郎新社長、前澤友作前社長の他、SBGの孫正義会長なども同席し、若い世代の顧客を取り込んで、ネット通販大手の『Amazon』と『楽天』を加えた3強で、国内ネット通販業界の覇権を争う構図を鮮明にし、今後の『ZOZOTOWN』のさらなる成長に力を注いでいくとコメントしました。 |
ヤフーがZOZO買収。利用者増に期待。
(※記事は現時点での情報であり、最新のものとは異なる場合があります。また、人物については、敬称略にて記載させていただいております。何卒ご了承願います)
12日朝、『ヤフー』が東京都内で記者会見を開き、インターネット衣料品通販大手『ZOZO(ゾゾ)』を買収することを発表しました。
買収額約4000億円で、10月上旬にもTOB(株式公開買い付け)を実施し、連結子会社化した上で通販事業を強化する戦略を示すと、悲願である『国内ECナンバーワン』の達成に必要なピースだったとコメント。
若い世代を中心に800万人以上の『ZOZO』の顧客基盤を取り込む狙いがあるとみられていますが、ネット通販では、取扱高で先行する『Amazon』と『楽天』が物流網の拡充を進めているとして、これら2社を加えた3強で、国内ネット通販業界の覇権を争う構図を鮮明にしたと報じられています。
ヤフーがZOZO買収で狙う、国内ECナンバーワン。利用者にどのような影響が波及するか。
ヤフーとZOZOの利害一致。
『ヤフー』は今まで広告事業がメインでしたが、2013年からEC(ネット通販)事業の強化にも努めており、その思惑からZOZOの年間購入者800万人超という会員の多さに目をつけました。
『ZOZO』は話題作りには貢献したものの実際の受注にはつながらず空振りに終わった『ゾゾスーツ』や、有料会員向け割引サービスによる出店ブランドの離反(デザイナーズブランドや海外ブランドなど常時値引きに反発するショップの”ZOZO離れ”)、利用者の支払いを最大2カ月後とする後払い決済が販売代金の回収期間を長期化させるなどの複数の要因によって資金難であえいでいたことから『ヤフー』の買収提案には”渡りに船”といった様相だったようで、2社の利害一致が、今回の『ヤフー』による『ZOZO』買収の成功に繋がったようです。
利用者にはどのような影響が予想される?
ソフトバンクが6月に子会社化したヤフーは、10月には、経営の多角化を狙うという名目で、Zホールディングスという名称の持株会社体制に移行する予定とのこと。
ちょうど、この月の上旬にも、『ZOZO』へのTOBが実施される予定ですので、それに合わせた形を取っていくのかもしれません。
ヤフーによる、ファッション通販サイト『ZOZOTOWN』を運営する『ZOZO』の買収後には、ヤフーとZOZOの利用者にはどのような影響が予想されるでしょうか?
ヤフーによるZOZO買収。2社の利害一致か。利用者への影響はどうなる?
ZOZOTOWNへのPayPay導入について。
ヤフー川邊社長は、市場トップという目標は20年代前半での達成実現に向け、今後は『ZOZOTOWN』へのモバイル決済サービス『PayPay』導入、『ZOZO』の古着通販サイト『ZOZOUSED』や、ファッションコーディネートアプリ『WEAR』との連携といった施策も検討しているといいます。
新しく導入される『PayPay』モバイル決済サービスで、利用者も支払いの幅が増え、より身近なサイトとして気軽に購入する機会が増えるのではないでしょうか。
PayPayモール新設へ。
ヤフーが10月に新設する仮想モール『PayPayモール』(ECサイト)は、グループ企業が展開中のスマートフォン決済サービス『PayPay』の利用者向けプレミアムモールという位置付けだそうです。
この『PayPayモール』には出店条件があるといい、他に運営する仮想モール『ヤフーショッピング』での上位の優良店または上場企業や一定の年商規模の大企業のみが出店できるとしているようです。
PayPayモールへ、ZOZOTOWNから出店。
この『PayPayモール』に、女性を中心とした若年層が多く利用する『ZOZOTOWN』を出店させることで、相互送客を進め、両社の顧客基盤を拡大する狙いがあるようです。
「ヤフーとZOZOのユーザーは補完的な属性を持っており、さまざまなシナジーを期待できる。両社の連携で、購入者数も取扱高も営業利益も”爆増”するのではないか」と過去に旅行サービス『一休』をヤフーとのシナジーで伸ばしてきた実績を振り返ったヤフーの川邊社長は、そのノウハウを生かし、『ZOZOTOWN』も成長させていきたいと話したようです。
『ZOZOTOWN』は引き続き『ZOZO』の事業として運営し、『PayPayモール』への出店は「ZOZOTOWNのヤフー支店を作るようなイメージになる」(同社)のだそうで、今後、『ZOZOTOWN』で利用できる全てのブランドやショップに対して、『PayPayモール』への出店を順次交渉していくとしているようです。
ヤフーがZOZO買収で国内ネット通販業界3強目に名乗り。さらなる利用者増加を狙う。
SBGの孫会長も連携を後押し。
記者会見にはソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長も登壇し、『ZOZO』の前澤友作前社長から「ZOZOの社長を引退し、新しい人生を過ごしたい」と相談を受けて、『ヤフー』川邊社長を紹介したことを明かし、2社の連携を後押ししました。
孫会長は「提携については『私は口出ししないから好きにやれ、当事者同士で話し合って決めてくれ』と伝えていた。両社の強みやシナジーについては川邊社長からも説明があったように、今後両社が精一杯やってくれると思う」とコメントしている。
出典元: ヤフー、ZOZO買収でEC強化 「国内ナンバーワンの悲願にようやく手が届く」 (C) ITmediaビジネス
ヤフーがZOZOの買収に乗り出すきっかけを与えたのはSBGだった。利用者への好影響は必至か。
後任のZOZO澤田宏太郎新社長。
『ZOZO』の今後を任された澤田新社長は「今後はZOZOをトップダウンから、社員一人一人の力を生かす組織に変えていく」とし、前澤前社長の強烈なリーダーシップに振り回されながらも地固めしてきた組織としての足場を武器に、引き続き事業の拡大を目指すとコメントしたそうです。
「もともとZOZOTOWNの実務責任者として、ヤフーとは多くの議論を重ねてきた。両社のリソースを生かして、より一層アパレル業界を盛り上げていきたい」(澤田社長)
出典元: ヤフー、ZOZO買収でEC強化 「国内ナンバーワンの悲願にようやく手が届く」 (C) ITmediaビジネス
引退後の前澤友作前社長は、心置きなく『月旅行』の実現に没頭?
会見には『ZOZO』の前澤前社長も同席し、完全に経営から退き、後のことは澤田氏に任せるとの意向を表明。
そして、自身が引退した理由を、「月渡航とは別に、一度宇宙に行く予定」であるとし、月旅行の実現など自身の夢を優先したからだとも明かしました。
関連記事:前澤氏がZOZO社長辞任 辞任の理由である月旅行とは
また、会見に同席したソフトバンクの孫社長からは前澤氏が交際中であった剛力彩芽との人生をより楽しむためというのが辞任の理由の1つであった事が明かされています。
自身の今後については、「まだ何も決まっていないが、もう一度事業をゼロから作ることに挑戦したいと考えている」と事業家としての新しいスタートを切る姿勢でいることを説明したようです。
関連記事:ヤフーがZOZOを買収 前澤社長は今後何をするのか
日本特有の出る杭は打たれる風潮により、目立つ事の多い前澤氏は嫌われることも多いですが、社長を辞任した後もまだまだ注目を集める存在になりそうです。
ヤフーがZOZOを買収したことで、利用者にはどのように影響するか? 12日朝、ヤフーの川邊健太郎社長が、東京都内で記者会見を開き、10月上旬にもネット通販衣料品大手『ZOZO(ゾゾ)』を買収することを発表しました。 買収額約4000億円でTOB(株式公開買い付け)を実施して連結子会社化した上で通販事業を強化する予定であるとし、それに合わせてなのか、同月には経営の多角化を狙うという名目で、Zホールディングスという名称の持株会社体制にも移行する予定だと話しました。 この会見には、もともとはZOZOTOWNで実務責任者としてヤフーとは多くの議論を重ねてきたという後任の澤田宏太郎新社長と、引退を表明した前澤友作前社長、そして今回の買収のきっかけとなったSBG(ソフトバンクグループ)の孫正義会長なども同席し、今後の『ZOZOTOWN』のさらなる成長への展望など、抱負を語りました。 |