JRAが152頭の出走取消を発表。レースの今後について。 JRAは、禁止薬物(テオブロミン)を含んだ飼料「グリーンカル」を摂取した可能性があるとして、15日(土)の朝、計156頭を競走除外とすることを発表しました。 対象は、6月15日~6月16日にかけて、東京、阪神、函館の各競馬場で出走する予定だった馬、計156頭です。 朝日新聞デジタルによると、中央競馬ではこの2日間で、計983頭が出走の予定でしたが、そのうちの約16%が競争除外となったようで、過去に例のない異常事態だと騒がれています。 |
JRAが152頭の出走取消。レースから除外される馬について。
日本中央競馬会(JRA)で異常事態発生。
JRAは、禁止薬物を含んだエサを摂取した可能性があるとして、15日土曜日の朝、計156頭を競走から除外することを発表しました。
対象となるのは、6月15日~6月16日にかけて、東京、阪神、函館の各競馬場で出走する予定だった馬、計156頭です。
朝日新聞デジタルによると、中央競馬ではこの2日間で、計983頭が出走の予定でしたが、そのうちの約16%が競争除外となったようで、過去に例のない異常事態だと騒がれています。
使用された可能性がある禁止薬物は興奮作用のある「テオブロミン」。
エサに含まれていたとされる禁止薬物は「テオブロミン」といい、これはチョコレートやココアなどにも含まれている「興奮作用」があるもので、中央競馬の厩舎向けに販売された、エサに混ぜるサプリメントに含まれていたようです。
薬物の影響下にある可能性が否定できないとのことから、競馬施行規定により、該当する馬を出走取り消しとした上で、中央競馬は開催される予定です。
15日土曜日の除外馬は、計72頭。
JRAの発表では、15日土曜日の除外馬は、東京13頭、阪神30頭、函館29頭の計72頭で、その馬の名前のリストが発表されました。
6月16日日曜日については、東京競馬は2頭、函館競馬は6頭が競争除外となっています。
6月16日 東京競馬 ユニコーンS(GIII) サトノギャロス、ロードグラディオ
6月16日 函館競馬 函館スプリントステークス(GIII) シュウジ、ライトオンキュー、リナーテ、ダノンスマッシュ、トウショウピスト、タマモブリリアン
出典元: 衝撃!今週の中央競馬は約80頭が禁止薬物トラブルで出走できずと判明。頭数はさらに増える可能性も (C) YAHOO! JAPANニュース
15日、地方競馬全国協会が、日本農産工業が販売した資料添加物の一部に禁止薬物のテオブロミンが含まれていたことを受けて、15、16日に帯広で開催した「ばんえい競馬」と、16日の「金沢競馬」の競争から計25頭を除外すると発表しました。
「船橋競馬」でも、影響を否定できないとして、17日に当競馬に出走予定だった5頭を競争除外すると発表しています。
重賞競走以外の管理馬については約70頭の該当場がいるとされていますが、今後も継続して、なんらかの発表があるとみられています。
JRAが152頭の出走を取消。レースへの影響は?
15日、JRAが開いた記者会見で、禁止薬物を含む飼料添加物を摂取した可能性のある馬がいる問題で、15、16日に出走予定だった983頭のうち該当馬156頭を競争除外としたことを発表しました。
検査済であるはずの飼料の中に、検査前のものが含まれた可能性があるとのことです。
庄村之伸裁決委員の説明。
庄村之伸裁決委員は、「14日の夕方に厩舎関係者から、飼料の販売業者が競争馬理化学研究所の検査で競走馬に与える飼料添加物から禁止薬物のテオブロミンが検出されたので回収したいと言ってきた」と話し、「本来は陰性が出てから販売されるべきもの。それが結果が出る前に厩舎に販売されていたことになる」とコメントしています。
購入する厩舎サイドでは、問題に気付けない。
馬に与えられる飼料は、事前に競走馬理化学研究所で検査を受け、禁止薬物の有無を確認された後に販売される為、購入する厩舎サイドでは、その飼料に問題があるかどうかなどといったことには気付けないようです。
JRAが152頭を出走取消に。「テオブロミン」でレースはどうなる?
競走馬への禁止薬物として指定されている「テオブロミン」について。
ココア豆に含まれるアルカロイドで、テオフィリンやカフェインの構造類似体だが作用は弱い。
出典元: Theobromine(テオブロミン) (C) 分子生物学用語集
カカオ豆などの植物に含まれるアルカロイド。キサンチンアルカロイドは気管支拡張薬に用いられることがある。利尿作用や平滑筋への刺激作用はテオフィリンより弱い。中枢神経系への作用はない。
出典元: Theobromine(テオブロミン) (C) 生物学用語辞典
テオブロミン(theobromine)は、カカオなどに含まれるプリン塩基と構造が似たアルカロイドの1種である。カカオ以外にもチャノキやコーラと言った植物にも含まれるため、チョコレート以外にも茶などのほかの食品中にも存在している。その名前に反して臭素(Bromine)は持たず、テオブロミンという名前は、ギリシア語で神の(theo)食べ物(broma)という意味を持つカカオの学名Theobromaに由来する。
出典元: Theobromine(テオブロミン) (C) ウィキペディア
欧州食品安全機関(EFSA)の科学的意見書。
【2008年9月9日】
同サイト(情報源:欧州食品安全機関(EFSA))では、飼料原材料中のテオブロミン濃度に関するデータは不足しているとし、以下の記述を掲載しています。
テオブロミンは中枢神経系に弱く作用し、アデノシン受容体に弱い拮抗作用をもつ物質である。テオブロミンは、げっ歯類及び犬の精巣に生殖毒性がある。
出典元: 欧州食品安全機関(EFSA)、動物用飼料中の望ましくない物質としてのテオブロミンに関する科学的意見書を公表(2008年9月9日) (C) Food Safety Commission
※馬は、奇蹄類(きているい)です。
馬はテオブロミンに対する感受性が特に高く、肝臓及び甲状腺に影響を受け、豚は発育遅延、下痢及び嗜眠状態を示した。
出典元: 欧州食品安全機関(EFSA)、動物用飼料中の望ましくない物質としてのテオブロミンに関する科学的意見書を公表(2008年9月9日) (C) Food Safety Commission
このため、飼料製造者は、テオブロミン毒性に対する感受性を認識しているため、犬や馬用の飼料には、ココア製造の副産物や菓子などの副産物を入れないようにしているようです。
【2010年6月15日】
欧州委員会指令をフランス国内法に移す法案に対するAFSSA(フランス食品衛生安全庁)のコメントとして結論づけたテオブロミンの変更点は以下のとおり、と記述した後に、以下の記載がありました。
・一般最大含有量の300 mg/kgは維持する。
・成牛に対する例外措置の最大含有量の700mg/kgは廃止し、成牛用の飼料についても一般最大含有量を適用する。
・最大耐容含有量を豚で200 mg/kgに、犬、ウサギ、ウマ及び毛皮用家畜については50 mg/kgに低減する。
出典元: フランス食品衛生安全庁(AFSSA)、動物飼料の有害物質及び有害製品の最大濃度規定に関する省令案について意見書を提出 (C) Food Safety Commission
※なお、2019年については、欧州食品安全機関(EFSA)は4月10日に、食品及び飼料中の化学物質の存在量データの継続募集を公表している模様です(期限:2019年10月1日)。
JRAが152頭の出走取消。レースやその他への影響について。
出走取消(競争除外)された馬について。
各々、競馬を走らせながら、その馬の体調管理がなされているようですが、この競争除外が、各馬の今後のローテーションやコンディションづくりにどのような影響を与えることになるか、それ次第で馬券への売上にも響くことから、多方面から懸念されています。
アスリートとしての競走馬への影響を考えると、ただただ残念でならない。
出典元: 衝撃!今週の中央競馬は約80頭が禁止薬物トラブルで出走できずと判明。頭数はさらに増える可能性も (C) YAHOO! JAPANニュース
競走馬は、賭け事に利用される動物ではありますが、人間で言えば「アスリート」です。
人間の言葉を理解するレベルでもある動物として、人々から愛されてきたのが「馬」ですので、今後の対応には注目されます。
22、23日に、競争除外馬への優先出走権付与との発表。
日本中央競馬会(JRA)は16日、禁止薬物「テオブロミン」を含む飼料添加物「グリーンカル」を摂取した可能性があるとして、15、16日に出走予定だった競走馬のうち該当馬156頭を競争除外にしましたが、これら全馬に対して、22、23日のレースで優先出走権を付与することを発表しました。
また「グリーンカル」が納入されていた厩舎で宝塚記念(G1)を含む22、23日のレースに出走を予定している競走馬に対して薬物検査を実施。15、16の両日で365頭(美浦74頭、栗東291頭)から検体を採取したことも明らかにした。出走申し込みの締め切り(20日)までに検査は終了する予定。
出典元: 除外156頭に優先出走権付与へ”JRA、365頭から検体” (C) KYODO
競走馬へ禁止薬物が使用された件での、売り上げなどの影響について。
16日の函館メイン、函館スプリントSの売得金は27億2416万6700円、前年比62.9%と大幅ダウンした
模様です。
禁止薬物問題で競争除外された馬の中に、一番人気が予想された「ダノンスマッシュ」など6頭が除外されたことから、売上に大きく響いたとの業界の悲鳴が上がっています。
JRAで152頭が出走取消となりました。レースの今後について。
日本騎手クラブを代表して、副会長・福永祐一騎手(42)のコメント。
日本騎手クラブを代表して、副会長・福永祐一騎手(42)が阪神1Rの騎乗後に取材に応じました。
具体的な経緯については、まだ詳しくは分からないとの前置きから、謝罪に入ります。
「まずは競馬サークルの一員として、今回の件で多大なるご心配とご迷惑を競馬ファンのみなさんにおかけして、深くおわび申し上げます」
このような事態は、これまでの歴史で類を見ないほどの事件だと、今回の、競走馬への禁止薬物使用の可能性について、評価しました。
われわれ騎手としては今日明日の競馬で1レース1レース全力を尽くして、ファンのみなさんに喜んでいただける競馬を提供できるように努めてまいりますので、引き続き競馬を応援していただければと思います」。
出典元: 福永騎手、156頭の競走除外に「類を見ない事件」 (C) 日刊スポーツ
JRAが152頭の出走を取消しました。今後のレースへの影響が懸念されています。 JRAが、禁止薬物(テオブロミン)を含んだ飼料「グリーンカル」を摂取した可能性があるとして、15日(土)の朝、計156頭を競走除外とすることを発表し、過去に例のない異常事態だと多方面から騒がれています。 対象は、6月15日~6月16日にかけて、東京、阪神、函館の各競馬場で出走する予定だった馬、計156頭です。 朝日新聞デジタルによると、中央競馬ではこの2日間で、計983頭が出走の予定でしたが、そのうちの約16%が競争除外となったようで、今後、除外される頭数は増えるかもしれないと予測されています。 |